画像処理検査装置・外観検査装置のヴィスコ・テクノロジーズ

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画像コラム・画検新聞

超深度カメラが実現する立体検査とは

「超深度カメラ(英語名:Super Focusing Camera)」は、「画像処理検査における撮像は、対象物の正面から」という、これまでいわば" 常識" とされていた外観検査でのカメラのコンセプトを根底から覆しました。超深度カメラとはつまり、正面ではなく斜めに設置して撮像をするカメラ。

撮像をするだけならもちろん一般のカメラでも可能ですが、被写界深度の関係で画像の一部にしかピントは合わず、ピントの合わない部分は当然ながら外観検査には活用できません。
しかし、全面にピントが合う超深度カメラを活用することで、「より人の目に近い検査」が可能になります。

斜めであることの可能性~斜めから見ることで、より人の目に近い検査が可能に

外観検査でカメラを斜めに設置して撮像することの利点は多くあります。
まず、対象物のキズや欠け、膨れや凹みなどをより鮮明に捉えられること。
高コントラストの状態を画像上に作り出すことで判別を容易にするということ。
しかし、これを目視検査でいうと、キズなどに対する正反射光を照射することで影を作り、見えやすくすることと同じ原理となります。
次に、立体物の複数面を一度に撮像できること。

これにより、これまで複数カメラによる、複数方向からの撮像をしなければならなかったものが、カメラ台数・撮像回数ともに減らすことが可能となります。これにより、処理時間の短縮化や検査機構の簡素化によるコスト削減が実現します。さらに、装置設計における自由度が増すことも挙げられます。角度の調整も自由に行えることから、搬送系を妨げることのないカメラや照明系の配置が可能となります。もし複数面の検査を行う場合でも、回転台を取り付けて複数回撮像するなどの単純な工夫で実現できます。

しかし、超深度カメラももちろん万能ではありません。正面から撮像した画像とは異なり、対象物の縦横比は変わってしまいます。そのため、寸法計測などの用途には難しいと見られています。
このカメラには、高い技術力がいかんなく発揮されたかたちですが、製造現場において多様化する検査環境に応じた、リアルなニーズに耳を傾けてきた成果とも言えます。
ユーザーにとって最適な検査環境構築への判断材料に厚みが増すこととなり、これまで不可とされていた検査の自動化も視野に入れることができます。

超深度カメラが実現する「立体検査」

「立体検査」とは一般的に認知されている「3D 検査」とは異なり、ヴィスコ社製の超深度カメラ一台を用いることで、立体物の3面検査を一度で可能とするものです。赤外線センサーなどは必要とせず、また計測を目的とするものでもありません。
これまで外観検査といえば、カメラを対象物の正面に設置して撮像するのが常識でした。そのため複数面の検査が必要な場合は、その面の数だけカメラや光学機器を用意する必要があり、コスト、タクトタイム、そして搬送系など他機器との干渉という課題が常につきまといます。
超深度カメラであれば、斜めからの撮像&投光により傷などの欠陥をより良く検出できるだけでなく、高さや奥行きのある対象物でも全面にピントが合うというその最大の特長を活かし、上記課題を低減化することが可能です。全面検査が必要であれば回転台を用意し、異なる角度で複数回撮像するなどの簡単な工夫でクリアできます。

▲(上) 画像の真横からの撮像ではフチの欠け(赤□部)が、真正面からだと格子状部の内側(赤〇部)についたゴミや汚れ、傷が検出しにくい。(下)超深度カメラで斜めから撮像すると、両部分の欠陥とも(緑○と矢印)検出が可能となります。

超深度カメラの特性を最大化 ~「外観検査ユニット」のススメ

このメリットを最大化するために同社により開発されたのが、「外観検査ユニット」です。より確実な検査をより簡単な設定で実現するもので、搬送系と検査装置一式(画像処理検査装置本体、カメラとレンズ、照明その他)が一体化されたものになります。

▲ [外観検査ユニット=搬送系+画像処理検査機器]のイメージ図。①と②に超深度カメラを設置し、表面・裏面をそれぞれ全周囲から撮像。③では一般のカメラを用いて各面における正面からの撮像を行うことで、全面における検査(傷や異物、汚れ、欠け・バリ有無など)を漏れなく行なうことができます。

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