「画像処理検査」とは、カメラで取り込んだ画像を検査(分析)して、位置座標や良品検査(OK/NG)などの結果情報を引き出すものです。本コラムでは、具体的にどうやって画像処理を行っているのかを解説いたします。
まず、そもそも「画像」とは何でしょうか。それは「画素」と呼ばれる、濃淡や色を表した最小単位を2次元に並べたもの、と定義されます。画像は、その表示色の種類と階調により、2値画像、グレー画像、カラー画像に分類され、各画素は、2値画像では1ビット、グレー画像では8ビット、カラー画像ではR、G、B(赤、緑、青)各8ビットの計24ビットの情報量をもっています。
一般的に、画像処理検査でよく使われるのはグレー画像で、1画素はレベル0~255、計256階調の濃淡値を保有しています。
「二値化処理」と「ブロブ解析」は、最も古く、単純でありながら、最もよく使われる画像処理といえます。
まず、画像の「二値化処理」とは、グレー画像をあるしきい値を基準として0(黒)と1(白)に変換することを指します。その目的は、対象物と背景を分離すること。これにより、対象物だけに注目して、様々な解析を行うことが可能となります。
その二値化処理を終えた画像を分析する手法のことを「ブロブ解析」といいます。ブロブ(=Blob)とは、塊のこと。塊の数、形状、大きさ、面積、位置などに応じ、様々な分析が可能となります。
>【関連情報】ブロブ解析とは上の画像で白部分を「対象物」としてブロブ解析すると、対象の「塊」は2つ。1つは、X=2・Y=2の位置から始まり、幅3、高さ4、面積12であることが分かります。もう1つは、X=9・Y=3の位置から始まり、幅5、高さ5、面積25であることが分かります。「二値化処理」と「ブロブ解析」によって対象物が特定され、その大きさや位置を決めたり、傷や異物を発見するのに役立つのです。
>【関連情報】ブロブ検査の手法最後に、「エッジ検出処理」についてご紹介します。これは対象の長さや距離など、主に計測目的に用いられます。その特徴は、明るさの変化が一番大きな点を検出すること。明るさの変化が大きく変わる点とは、すなわち対象物の形や材質が大きく変わるところと考えられ、エッジ部分(対象物の端)であることからこのように呼ばれているのです。
>【関連情報】エッジ検出とはさらに、エッジ検出によって、2点間を計測することも可能となり、対象物の幅や厚さなどをより明確に知る事が可能となるのです。
これら多くの処理を人に代わって瞬時に行うのが画像処理検査機です。
>【関連情報】目視に近づく自動検査最もよく使われる画像処理である「二値化処理」や「ブロブ解析」・「エッジ検出処理」の方法・特長について解説いたしました。
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